ユニバーサルデザイン

今の仕事場は品川の小奇麗なビル群の中にある。そう、品川インターシティだ。ここには「スカイウェイ」という名の通路があり、反対側の品川グランドコモンズにも、同様の通路が並行して設けられている。双方のスカイウェイは2つの通路でつながっているのだが、そのどちらも微妙に斜めに接続されている。おまけに、通常考え得る人の流れを無視する方向に傾いているのである。なぜだ?
 確かに近代的で小奇麗な街である。かっこいいのかもしれない。しかし、工業デザインというものはすべからく機能的かつ合理的であるべきではないだろうか。連絡通路なんてものは単純に最短距離で造ればよいのである。優れたデザイナーは、その単純な構造をいかに特徴付けられるかにそのセンスを生かすのである。勘違いしてはいけない、美術品ではないのだ。

街は生活の場だ。時代とともに変化・成長するものだ。30年後、この街はどう評価されるのだろうか。